私、いやしくも研究を生業とする研究者なる生き物でして、このスイスには研究のために来ております。
おおかた、研究者の能力は論文の本数で計られる事が多く、文章を書くのも当然仕事の内に入るわけです。Einstein級の天才であるならば単独で仕事も出来るのでしょうが、とりわけ工学者においては多くの人と協調しながらプロジェクトを進める事が重要で、コミュニケーション能力こそが研究遂行における鍵となります。尤も、Einstein博士でさえも、他人の力添え無しには偉業はなしえなかったでしょうが。
アカデミックはボランティアや助け合いによって成り立つところが大きく、学会活動もかなり重要な仕事であります。従って、研究者は皆様が想像するような研究だけをするわけではなく、それに付随するいわば雑用もお仕事のうちです。今回はその雑用に関するお話です。
日頃皆様が参加されているの成功は、その裏のOrganizerによる準備のたまものであります。
今度の学会、あなたの所でよろしくね。
よく耳にするお話ではありますが、このよろしくの裏には多くが隠されています。例えば、
- 日程調整
- その日程は学内行事があるから
- 他の学会と日程が被るから
- 同じ国で他の学会があるから、そこと日程を合わせて
等々、の要求が往々にして入ってきます。とりわけ、小さなコミュニティでしている学会であれば、その主要メンバーが参加できないようではお話になりませんから、事前に綿密な打ち合わせが必要です。
2. 会場調整
場所なんてどうとでもなるだろうという考え、甘いです。思っている以上に使える会場候補なんて少ないのです。そりゃあ、とんでもない参加費を取ってしまえば、○○ホテルでの開催も不可能ではないでしょうが、実際には予算も限られており、会場によってもハウスルールが厳しかったりと、使える会場なんて意外と限られてきます。
また、大学の中ならどこでも出来るんじゃないの?と思うかも知れませんが、授業期間中であればそれを優先しなければなりませんし、コーヒーブレイクの事を考えると飲食不可の会場は当然候補から外れます。また、ランチやAccommodationの事を考えると、辺鄙なところで開くわけにも行きません。また、協賛企業が居るのであれば、当然企業ブースも作るべきですから、然るべき広さ・部屋が求められます。
3. Local committee
通常、学会はCall for paperをして、Abstract submission、Notification of acceptance、Paper submission、Paper review、Revised paper/rebuttal submission、Final acceptance、Registration、Payment of registration fee、Program organizeを経てようやく開催にこぎ着けます。Call for paperまでにも、協賛企業・学会支援の取り付け、Paper templateやReviewing member、Topicsの選定、Social eventの企画などもありますが、これらを取り仕切るのはLocal committeeです。Localとは言っても、地理的に離れていることも少なくないのが現状ですが、International committeeに対する対比と申しましょうか。
Conference Management System
ようやく本題です。今回注目したいのは、Call for paper以降のお話、要はマネジメントシステムのことです。大きな学会になると、全てのプロセスがWeb上で完結しますよね。あれって、どうしているんだろうと思って調べたのが今回の記事更新の理由です。ある程度大きな所では自前でシステムを持っていることも多く、逆に小さな所ではメールベースで管理しているところも多いのだと思いますが、煩雑さを防ぐためにも何らかのシステムがあれば良いなぁと思い、調べてみました。
有料
無料
- START v2
- ConfTool
- EasyChair
- Microsoft Academic Conference Management Toolkit
- OpenConf
- Open Conference Systems
色々と長所・短所はあるのですが・・・と比較しようとしたところで、こんな原稿を発見しました。リンク先の方が詳しいので、そちらを参照した方が良いと思いますが、私個人としてはOpen Conference Systemsが最も優れている気がします。サーバを運営した事がある人ならそこまで導入に苦はない気がしますし。
なにやら尻切れトンボですが、取りあえず備忘録として更新しておきます。